アルツハイマー病治療に新たな選択肢 - 2つの新薬のご紹介
当院では、アルツハイマー病の進行を遅らせる画期的な治療薬の取り扱いを開始いたしました。
今回は、この新しい治療選択肢について、わかりやすくご説明いたします。
こちらも参考に:
https://www.himeno-hp.jp/information/3593/
当院で取り扱う2つの新薬
1. レカネマブ(レケンビ®点滴静注)
2. ドナネマブ(ケサンラ®点滴静注)
この2つの薬剤は、従来の認知症治療薬とは根本的に異なるアプローチで、アルツハイマー病の進行を抑制します。
これまでの治療薬との違い
従来の認知症治療薬は、記憶力や注意力の悪化を一時的に抑える「対症療法薬」が中心でした。
それに対して、レカネマブとドナネマブは「疾患修飾薬(DMT)」と呼ばれる新しいタイプの薬剤です。
疾患修飾薬とは?
アルツハイマー病の根本原因である脳内のアミロイドβタンパク質の蓄積に直接働きかけ、病気の進行そのものを遅らせることを目的とした治療薬です。つまり、「症状を和らげる」のではなく、「病気の進み方を遅くする」ことを目指しています。
どのような方が対象になるのか
これらの治療薬は、以下の条件を満たす方が対象となります:
軽度認知障害(MCI)または軽度のアルツハイマー型認知症と診断された方
- 脳内にアミロイドβの蓄積が確認された方
- 認知機能検査(MMSE)で一定の基準を満たす方
※残念ながら、認知症が進行している方は対象外となります。早期発見・早期治療が重要です。
2つの薬の特徴
レカネマブ(レケンビ®)の特徴
- 投与間隔: 2週間に1回
- 投与方法: 体重に応じた量を点滴(約1時間)
- 治療期間: 原則18ヶ月
ドナネマブ(ケサンラ®)の特徴
- 投与間隔: 4週間に1回(月1回)
- 投与方法: 体重に関係なく一定量を点滴(約30分以上)
- 治療期間: 原則18ヶ月(ただし、12ヶ月時点でアミロイドβが十分に減少していれば治療終了も可能)
期待できる効果
臨床試験では、これらの薬剤により認知症の進行を約20〜30%程度遅らせることが示されています。
具体的には:
- 日常生活の自立度の維持
- 認知機能の低下速度の抑制
- 症状の悪化を数ヶ月〜1年程度遅らせる効果
知っておいていただきたいこと
副作用について
投与開始後、特に最初の半年程度は以下の副作用に注意が必要です:
- ARIA(アミロイド関連画像異常) 脳のむくみや微小出血
- インフュージョンリアクション 点滴に伴う発熱、関節痛などのアレルギー反応
そのため、定期的なMRI検査による安全性の確認が必須となります。
治療費について
これらの薬剤は保険適用となっており、年間の薬価は約300万円程度です。自己負担額は、ご加入の保険や高額療養費制度により異なりますので、詳しくはご相談ください。
治療を受けるまでの流れ
1. 初診・相談: 脳神経内科を受診
2. 詳細検査: 認知機能検査、MRI検査、PET検査または髄液検査
3. 適応判定: 治療対象かどうかの判断
4. 治療開始: 定期的な点滴治療と経過観察
早期発見・早期治療の重要性
これらの新薬は、軽度認知障害(MCI)や軽度の認知症の段階で最も効果が期待できます。認知症が進行してからでは治療対象外となってしまうため、以下のような症状に気づいたら、早めにご相談ください:
- 最近のことを忘れることが増えた
- 約束や予定を忘れることが多くなった
- 同じことを何度も聞くようになった
- 物の置き場所を忘れることが増えた
- 日付や曜日がわからなくなることがある
当院での取り組み
姫野病院では、これらの新薬による治療を適切に提供できる体制を整えております。専門の医師が丁寧に診察し、患者様お一人お一人に最適な治療方針をご提案いたします。
「もの忘れが気になる」「認知症について相談したい」という方は、お気軽に当院までご相談ください。
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お問い合わせ・ご予約
医療法人 八女発心会 姫野病院
脳神経内科
*本記事は2025年10月現在の情報に基づいています。治療の詳細や最新情報については、診察時に医師にご確認ください。