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九十九屋さんたの妖怪古今録

火鼠の皮衣

かぐや姫がほしいと言った「火鼠の皮衣」とは

寒いと夜空は冴えて見えますね。
中でも寒月は美しいもので、見ているとかぐや姫を思い出します。

かぐや姫は竹から生まれた女性が美しく成長し、噂を聞いて求婚してきた人々にかなり手に入れるのが無理そうなものを望み断る理由にし、最後は帝すら避けて、月に帰ってしまう物語です。

かぐや姫が望んだ品物の一つに『唐土にある火鼠のかはぎぬ』があります。それは火の中にくべれば汚れが燃え尽きてしまい、常にきれいなままという品物です。物語の中では、汚れどころか物自体が燃え尽きてしまいました。本物が出てこなかった火鼠のかわぎぬとは何なのでしょう。

火鼠は中国の伝説の生き物で、火山に住むとされる巨大な鼠です。不尽木という火の中でも燃えない樹の中に住みます。捕らえるには水をかけ、冷やすことで、捕らえたといいます。その毛で織った布は、火浣布と呼ばれ、火にくべても燃えることはなく、汚れが落ちたといいます。毛ですら燃えないのですから、その皮も燃えることはないと考えられました。

そんな火浣布の正体は石綿であったといわれています。現在、報道される事の多い、アスベストです。
火の中で燃えない石綿は、東西を問わず、人の空想を刺激するもののようで、西洋でも伝説の生き物を生み出しました。火の中で繭を作るとされたその生き物はサラマンダーといわれました。サラマンダーはその後、火の精霊を代表する程、メジャーなものになりました。
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