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九十九屋さんたの妖怪古今録

八千代の権現さま

村人たちの前に現れたその姿は…

画像はイメージです
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太田道潅は権現山に陣を張り、米本城を攻めていた。足軽を用いた突撃戦法を得手とし、東の地にその人ありといわれた道灌ではあったが、この戦は苦戦であった。彼は神仏を敬う男でもあり、この戦にも守り本尊を持参していた。道灌は長引く戦いに、十一面観音菩薩に勝利を祈願した。祈願には供物が必要である。そして戦いは道灌の勝利に終わった。それから時は流れ、百年あまりが過ぎた。権現山の中で獣の鳴声が響いた。周りの村人もその日だけのことそう思った。だが、鳴声は十七日にも及んだ。さすがに常とは異なると村人たちが来た前に現れたのは一匹の白狐であった。
「我は飯綱大権現なり。昔、太田道潅の埋めた十一面観音の尊像が権現山の北東五尺の地下にあり、この世に再誕させれば、あまねく一切衆生を済度してくれる」。そして白狐の姿は消え、村人はたちが掘り出したのが、道灌が祈願の際に供物として埋めて言ったものであった。
 それが後に八千代の権現さまこと、飯綱神社となりました。権現さまというのは、もともと仏様が分かりやすい姿をとって、現れることをいいます。飯綱神社のお稲荷さまとしての姿は、仏様が人々に分かりやすい姿をとっているという事です。社殿裏には観音堂があり、そこに観音様は祭られていました。ところが仏さまは、明治時代の廃仏毀釈によって姿を消しました。今、祀られている神様は、お稲荷さま、すなわち宇賀之御魂命です。宇賀之御魂命は食べ物をつかさどるといわれる神様ですが、お稲荷さまとしての姿は非常に混沌としています。これは次回に。
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