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九十九屋さんたの妖怪古今録

上本郷の人魚

長者の屋敷で人魚の肉を振舞った結果…

みなさんは人魚をご存知ですか? 
 私たちのイメージは既に人魚姫になっているのではないでしょうか。恋する王子に気持ちを伝えることができず、空気の精となって消えた儚いイメージとは裏腹に日本では食材でした。
 松戸の上本郷の風早神社の前にある六軒新田の村人が、長者の屋敷で宴に呼ばれました。長者は何を思ったのか、人魚の肉を振舞いました。人魚の事を召使たちの立ち話から知っていた村人たちは料理を勧められましたが、一切箸をつけません。ところが一人だけ耳が遠くそれが人魚に肉ということを分からないものがいました。村人に長者は 「家の者といっしょに食べるといい」 と言い、包んで持って帰らせました。村人達は途中で捨てましたが、耳の遠い人は家に持って帰りました。それを一人の娘が食べてしまいました。娘は何年経っても歳をとらず、人々に気味悪がられ、若狭の国に移り住みました。数百年後、若狭の国へいった松戸の人が八百比丘尼にあった時、松戸の事を語ったといいます。
 人魚の正体ですが、山海経という書物の中に『水出でて東流して干河に注ぐ。その中に人魚多し、その状、魚帝(これで一文字)魚の如く、四足とその首嬰児の如し』とあります。』 
 この生き物とか何か。実は山椒魚なのです。 人魚と書かれていた売り物の説明がそのまま山椒魚だったということもあります。山椒魚の手は五本指なのでそのあたりも人魚を連想させたと思えます。山椒魚はハンザキといわれ、半分にされても生きているくらい生命力が強いとされ、強壮剤になることで知られています。そう考えると人魚が不老長寿になるというのは、山椒魚の薬効がよりスケールアップしたのかもしれません。
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